クラーラさんと和菓子作り 第二話
【初めて作った和菓子】
初めて作った和菓子はなんですか。
小豆からだけでできる餡子を試しました。というのも、初めの頃は白玉粉が手に入らなかったので。ここ数年ほど前からは、チェコでも白玉粉が普通に買えるようになったので、練り切りにも挑戦してみましたが、初めて作った時は形がいまいちでした。
初めて作った時はどんな気持ちでしたか。
苦労して作ったにもかかわらず、本やインターネットに載っているような綺麗な出来栄えには程遠く、ガッカリしたのを覚えています。ただ、職場の同僚に試食してもらったところ、皆が美味しいと言ってくれ、応援してくれました。そのおかげで、だんだん上達してきました。また、調理師免許のないアマチュアの人たちが、料理やお菓子を作って提供できるフェスティバルを紹介してもらい、和菓子も参加することにしました。その他、アニメ好きの人たちが集まるフェスティバルにも参加し和菓子を作りました。日本のアニメや漫画好きの人たちがコスプレをして参加し、日本旅行など日本についての話で盛り上がるイベントです。彼らの多くはまだ若く、日本旅行はお金が掛かるため、日本に行くということは夢のまた夢なのです。ですから、私はこのイベントと私の和菓子を通して、彼らに少しでも日本について 触れてもらえれば、と思っています。
そのイベントに来ているチェコ人の和菓子に対する反応はどうでしたか。
日本が好きなチェコ人は、アニメや漫画で、登場人物がラーメンやお餅、団子を食べているのを見ているので和菓子も知っています。しかし、プラハの和食レストランで日本の料理は食べたことがあっても、和菓子を食べる機会はほとんどないので、喜ばれています。
チェコ人に人気の和菓子はなんですか。
特に、若い人たちの間では、団子が人気ですね。
八ツ橋の写真も拝見しましたが、そちらも人気ですか。
八ツ橋にはニッキが入っているので人気がありますね。似たような味のシナモンは、チェコのお菓子のペルニチキ[1]にも使われているからでしょう。「和菓子は小豆と米粉からできています。」と言うと、最初は少し躊躇する人(チェコ人)も、シナモンを使ったお菓子だと分かると、馴染みがあるので 安心するようです。
どの和菓子が一番人気ですか。
大福ですね。文化的なイベントなど、多くの人が集まる際には、おいしく手早くできる大福がぴったりです。中でも、苺大福は大人気です。2016年の6月に、プラハのヴィノフラディ劇場(Divadlo na Vinohradech)で大々的な狂言の公演がありました。その晩餐会で、私の作った和菓子を食べていただく機会に恵まれました。おいしい和菓子がいつでも食べられる環境にある京都出身の狂言師の方々から 、私の和菓子をとても美味しいと言っていただけたのは本当に光栄でした。あの時の感動は忘れません。